勉強の字はコンパクトにスピーディーに書きましょう

 子供達が初めて学習時間の中で字を書く時、私は必ず緊張して一挙手一投足を観察するようにしています。

 私達が字を書く目的は大きく2種類に分けられると思います。まず、自分以外の誰かに見せる目的を持っている時です。2つ目は、自分自身のために書く目的の時です。

 誰かに見せるための字は、学生の場合、最も分かりやすいのはテストの答案用紙に記入する字です。入試となるとより目的は鮮明になります。このケースでは、読んでいただく字、合格させていただく字を書くべきです。だからといって、硬筆とか習字の技能は1点にもなりません。文字は意思伝達の記号であれば十分です。

 一方、自分自身のために書く字はほかの誰かに見せる目的はありませんから、自分自身がすぐに解読できること。自分自身がその字を見て記憶に残りやすいこと。こんなことが主な目的だと思います。

 ここでも、硬筆とか習字はほとんど意味をもちません。学習の時に自分自身のために書く字は、適度に小さめで、速く書けること。全体もコンパクトに整理整頓されていること。みて、すぐに目に飛び込んできて記憶に残りやすいことなのです。

 ですから、学業成績を上げることが目的であれば、硬筆や習字とは距離を置いたほうがいいと思います。

 ところで、琴、三味線、尺八、日本舞踊、硬筆、習字等々は日本の古典芸能、古典芸術として絶対に受け継いでいかなければならないものです。ですから日本人として美しい字を書くということは是非とも大切にしていきたいと思います。